得度だけを受けたい方へ
「僧侶として法要を勤めるところまでは考えていない。でも、得度を受けて、戒と僧名を授かりたい」――そうお考えの方のために、当道場には「得度・授戒のみ」の課程があります。正式申込みから得度式まで百日、費用は冥加金10万円と法衣類、得度後は6か月の見習い期間を経て度牒交付・僧籍登録となります。このページでは、得度だけを受けるという選択の意味、できること・できないこと、そして後から修行に進む道についてお伝えします。
「得度だけ」という選択は、半端なものではない
得度だけを受けることを、「修行に進まない中途半端な選択」のように感じる方がいらっしゃいます。しかしそれは違います。得度は、師僧から僧名と戒を授かり、仏弟子となる儀式です。それ自体が、一つの完結した意味を持っています。
仏教には、出家して僧侶として生きる道と、在家のまま仏法に帰依して生きる道の両方があり、どちらも尊い道です。得度だけを受けて、仕事や家庭を中心とした生活を続けながら、戒を保ち、毎朝の勤行を続ける――それは「在家得度」と呼ばれる、古くからある仏道の歩み方です(在家得度と出家得度の違い、当道場の二通りの得度)。
得度だけを受けたいという方の動機は、さまざまです。
- 長く仏教に親しんできて、その縁を正式な形にしたい
- 自分の戒名を、生きているうちに、自分の意思で授かりたい
- 毎朝手を合わせてきたが、本物の勤行を身につけたい
- 人生の節目に、これからの生き方を戒という形で定めたい
- いずれ修行に進むかもしれないが、まず得度から始めたい
いずれも、得度を受ける理由として十分なものです。
得度だけでできること、できないこと
ここは、はっきりとお伝えしておきます。
できること
– 仏弟子として、師僧から授かった僧名と十善戒を保って生きること
– 毎朝の勤行を、授かった名のもとに続けること
– 見習い期間を終えた後、度牒を受け、心照寺の僧籍に登録されること
– 後に修行の道へ進むこと
できないこと
– 葬儀・法要・祈願を自ら勤めること(四度加行の満行と伝法灌頂が必要)
– 見習い期間中に「僧侶」の肩書を名乗ること(名乗りは「心照寺得度者」まで)
– 僧名や肩書を営業・勧誘に使うこと(行動規範で定め、該当する目的の方は得度をお受けできません)
とりわけ、「得度だけを受けて、僧侶として法要を勤めたい」というご希望には、お応えできません。法要・祈願を勤めることが目的であれば、得度して修行に進む課程をお選びください。看護・介護・占い・遺品整理などの仕事で供養や祈りを必要とする方は、看護・介護・医療の仕事に活かす占い・スピリチュアルの実践者が供養を自分で行うには遺品整理・不用品回収の仕事で御霊抜きを自分で行うにはもご覧ください。
当道場の場合
得度のみコースの概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 期間 | 正式申込み(0日目)から得度式(100日目)まで百日 |
| 百日の内容 | 毎朝の勤行(十分ほど)と日誌、志望理由書(30日目まで)、事前講座(オンライン・90分×3回)、日誌の中間確認(50日目前後)、本面談(60〜70日目・道場) |
| 道場に来る回数 | 本面談と得度式の二回 |
| 費用 | 冥加金10万円(本面談で可の通知後3日以内に一括納入・振込)+法衣類(購入約9万円/レンタル1万円、レンタルでも白衣・帯・白足袋約1万5千円は購入)。度牒交付・僧籍登録・年次報告に費用はかからず、年会費もなし |
| 得度後 | 見習い期間6か月(月に一度の報告)→度牒交付・僧籍登録→年に一度の報告 |
| 剃髪 | 基本は剃髪。有髪のままでも可 |
| 対象 | 男女問わず。年齢上限なし。仏教の知識がなくても可。他宗派で得度した方も可(面談で相談) |
百日の流れの詳細は得度のご案内、費用の詳細は得度にかかる費用、必要書類は得度に必要な書類 ― 住民票・履歴書・身元保証書・志望理由書、得度後のことは得度のあと ― 見習い期間・度牒・僧籍登録をご覧ください。
なぜ百日かけるのか
得度だけを受ける課程でも、当道場は百日をかけます。得度式を「一日の行事」にしないためです。毎朝十分の勤行を百日続けると、それは習慣になります。志望理由書の四つの問いに手書きで答えると、自分の動機が自分の言葉になります。三回の講座で十善戒と僧侶の責務を知り、面談で師僧と向き合う――これらを経た得度式は、同じ儀式でも、受け取れるものが違います。
百日のうち、冥加金を納めていただくのは本面談で可の通知を受けた後です。それまでの二か月余りは、費用の発生しない期間です。途中でやめることもできます。
百日の途中で、修行に進みたくなったら
百日を歩むうちに、「やはり修行の道に進みたい」と思われる方がいらっしゃいます。その場合は、残りの期間を待たずに得度式を行い、四度加行に入ることができます。得度式で授かる僧名と十善戒は、どちらの課程でも同じものです。
得度のみを終えた後に、修行に進むことはできるか
できます。得度のみで得度された方が、後に四度加行へ進むことは可能です。見習い期間中でも僧籍登録後でも構いません。手続きは口頭でのお申し出で足ります。得度・授戒式の冥加金10万円は既に納めたものとみなし、二重にはかかりません。必要になるのは四度加行45万円、その他の行法10万円、そして支度金の差額です。得度の際に法衣を購入されていれば教本・次第書類の約5万円のみ、レンタルであった場合は法衣類の約15万円も加わります。なお、冥加金は受講料ではなく、仏縁への感謝として納めるお布施ですので、ご返金はいたしません。
他の道との比較 ― 得度だけを受けるには
得度だけを受ける道は、当道場に限らず、一般にいくつかあります。寺院に縁があれば、住職に願い出て得度を受けることができますが、縁のない方には最初の一歩が難しいのが実情です。仏教系大学や専修学院は、僧侶資格を目指す課程が中心で、得度だけを目的とする方には遠回りになります。在家向けの修行道場(当道場を含む)は、寺との縁のない方にも得度の門を開いていますが、道場ごとに得度の意味づけ、準備の期間、費用、得度後の扱いが異なります。
比べる際には、次の点をご確認になるとよいでしょう。
- 得度式までに、何をどれだけ準備するのか(当道場は百日の勤行・志望理由書・三回の講座・面談)
- 費用の総額と納入の時期が、入門前に明示されているか(当道場は冥加金10万円+法衣類、可の通知後3日以内)
- 得度後に、どこまでの名乗りが許されるのか(当道場は見習い期間中「心照寺得度者」まで)
- 僧籍がどこで管理され、照会に応じてもらえるのか(当道場は道場で管理し照会に応じる)
- 師僧との関係が得度の後も続くのか(当道場は月次・年次の報告を通して続く)
いずれが優れているということではなく、ご自身が得度に何を求めるかで、合う場所は変わります。
得度だけを受けるということ
人は、長く生きるほど、自分の生き方を言葉にする機会を失っていきます。仕事の肩書、家庭での役割、周囲の期待――それらの中で、「自分は何を保って生きるのか」という問いは、後回しにされがちです。
得度だけを受けるという選択は、その問いに、仏前で、師僧の前で、一つの答えを出すことです。修行に進まなくても、法要を勤めなくても、授かった戒と名を保って日々を生きる――それは、後悔のない生き方の、静かで確かな一つの形だと思います。
関連する問い
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このページの要点
- 得度だけを受ける課程は、仏弟子として僧名と十善戒を授かり保って生きる、それ自体で完結した道。
- 百日で得度式、冥加金10万円(本面談で可の通知後3日以内)、得度後6か月の見習い期間を経て度牒交付・僧籍登録。
- 得度だけでは法要・祈願は勤められず、見習い期間中は「心照寺得度者」まで。後から修行に進むことは可能。
ご相談
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