冥加金とは ― 意味と分割納付
冥加金(みょうがきん)とは、目に見えない仏の加護(冥加)への感謝として、仏と師と道場に納める御礼のことです。授業料や受講料のように役務の対価として定められた価格とは、性格が異なります。当道場の冥加金は、四度加行コースで65万円、得度のみコースで10万円です。四度加行コースは分割納付ができ(標準5回程度。回数はご相談ください)、表示金額以外に後からかかる費用はありません。この記事では、冥加金という言葉の意味と、当道場がそれを明示する理由、分割の考え方を説明します。
冥加金とは何か
「冥加」の意味
「冥加」とは、仏や神が、人に知られることなく(冥々のうちに)与える加護のことです。「冥加に余る」「冥加に尽きる」という言い回しは、身に余るほどのありがたさを表します。仏教の文脈では、修行や祈りを通じて受ける目に見えない恩恵を指します。
「冥加金」は、その加護への感謝の印として納める金銭です。一般に、寺院での得度・受戒・修行・灌頂などにあたって納めるものを、多くの宗派でこのように呼びます。
授業料・受講料との違い
学校や講座では、授業という役務に対して、あらかじめ定められた対価として授業料を払います。払う側と受け取る側は、サービスの提供者と利用者という関係です。
冥加金は、この関係とは少し異なります。師から弟子へ法を伝えることは、本来、売り買いの対象ではありません。密教の伝授は、血脈を通じて受け継がれてきたものを、師が弟子に手渡す行為です。弟子はその恩に対して、感謝を形にして納めます。それが冥加金です。したがって、「これだけ払ったのだから、これだけのものを受け取る権利がある」という発想とは、本来なじみません。
一方で、現代において在家の社会人が僧侶を目指すとき、「金額がわからない」「お気持ちでと言われても困る」という不安は切実です。当道場は、この伝統的な意味を保ちながら、金額を入門前に明示する、という立場を取っています。
当道場では、納めていただく金銭をすべて「冥加金」と呼びます。
当道場の冥加金
四度加行コース
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 得度・授戒式 冥加金 | 10万円 |
| 四度加行(伝法灌頂まで) | 45万円 |
| その他の行法(伝授・実践作法) | 10万円 |
| 合計 | 65万円 |
これに、修行に必要な教本・経本・次第書・念珠・法衣類などを揃える支度金約20万円を加えた総額約85万円が、得度から阿闍梨まで、そして人のために勤める作法の伝授までの全額です。支度金は冥加金とは性格が異なり、ご自身の手元に残る品の代金です(修行に必要な道具と支度金約20万円の内訳)。
得度のみコース
得度・授戒式の冥加金10万円です。本面談(60〜70日目)の後、可の通知を受けてから3日以内に一括で納入します。これとは別に、法衣の購入(一式約9万円。白衣・帯・白足袋を含む)またはレンタル(1万円。白衣・帯・白足袋は購入必須、約1万5千円)の費用がかかり、冥加金と同時に納めていただきます。百日の間の勤行と三回の事前講座に費用はかかりません。
費用の全体は、正本である 費用一覧 をご覧ください。
なぜ金額を明示するのか
「お気持ちで」という言い方は、一見ゆかしく聞こえますが、入門を考える方にとっては、いくら用意すればよいのか、途中でさらに求められるのではないか、という不安の源になります。とりわけ、寺と縁のない在家の社会人が、仕事を続けながら家計の中から費用を捻出して修行に入る場合、この不安は入門をためらわせる大きな理由になります。
当道場は、入門前のオンライン説明と面談で、費用の全体を明示します。そして、表示金額以外に後からかかる費用はない、と定めています。次の行法に進むたびに追加を求める、伝法灌頂の際に別途を求める、授与物の発行に費用を求める、といったことは一切ありません。
冥加金が感謝の印であることと、金額を明示することは、矛盾しません。感謝を形にするときに、その形が事前にわかっていることは、納める側の安心であり、受け取る側の誠実でもあります。
分割納付について
四度加行コース
冥加金65万円は、得度式前に一括で納めていただくか、分割で納めていただきます。分割の標準は5回程度で、節目は「得度式前」と、加行の各段階(十八道・金剛界・胎蔵界・護摩)に入る区切りです。仕事を続けながら修行する方が大半で、家計の事情はそれぞれ異なりますので、回数や時期の細かな点は面談で個別に相談し、その方の状況に合わせて決めます。納入方法は振込が基本で、分割の場合はカードもご利用いただけます(回数はご相談ください)。
得度のみコース
冥加金10万円は、可の通知後3日以内に納入します。分割はできず、一括で納めていただきます。
分割中に中断した場合
当道場では、中断しても自分のペースで再開でき、最長3年まで修行を続けられます。分割納付の途中で中断した場合、再開後の納入は面談で取り決めた節目に沿って続けていただきます。中断・辞退・最長3年の超過・ご自身の都合で退かれた場合のいずれであっても、すでに納めていただいた冥加金は、受講料ではなく、仏縁への感謝として納めるお布施ですので、ご返金はいたしません。
冥加金の納め方
納入方法は振込が基本です。分割の場合はカードもご利用いただけます(回数はご相談ください)。振込先は、面談の後、個別にお伝えします。サイトには掲載していません。
領収書は発行いたしません。振込の控えを領収証に代えさせていただきます。
冥加金に含まれないもの
次のものは、冥加金にも支度金にも含まれず、ご自身の負担になります。
- 道場へ来るための交通費
- 遠方で修行日の前泊が必要な場合の宿泊費
- 支度金の範囲を超えて、個人的に揃えたい品の代金
逆に、次のものは追加費用がかかりません。
- オンラインでの講義・確認
- LINEでの質問
- 中断・再開
- 伝法灌頂での授与物(伝法二紙・許可一紙・血脈一紙・僧階一紙・四度折紙、その他)の作成費用(冥加金45万円に含まれる)
- 修了後の僧侶活動の相談・指南
- 得度のみコースの事前講座三回、見習い期間(月次報告)、度牒交付、僧籍登録、登録後の年1回の報告
- 僧籍の維持。年会費のようなものは一切なく、四度加行コース修了後(伝法灌頂後)も定期報告は年1回で、費用はかからない
なお、阿闍梨となった後に開催する阿闍梨向けの伝授講座は、一連の課程には含まれず、別途の冥加金が必要です。
冥加金をどう受け止めるか
冥加金を納めることは、修行に入る覚悟を形にすることでもあります。金額の多寡ではなく、自分の人生の一部を、この道に差し出すという意思表示です。当道場は、その意思を受け取る側として、金額を明示し、後から追加を求めず、納めていただいたものに見合う伝授と指導を尽くします。
費用を払って資格を得る、という取引ではなく、感謝を納めて法を授かる、という関係。その違いを、入門の前に一度、心に置いていただければと思います。納得して差し出したものは、後悔になりません。
当道場の場合
- 費用の呼称は「冥加金」。
- 四度加行コース:冥加金65万円(得度・授戒式10万円、四度加行45万円、その他の行法10万円)。支度金約20万円を加えて総額約85万円。
- 得度のみコース:冥加金10万円。可の通知後3日以内に一括納入(分割不可)。
- 四度加行コースの分割納付は標準5回程度(得度式前と各行法に入る区切り)。振込が基本、分割の場合はカードも可(回数は相談)。
- 領収書は発行せず、振込控えを領収証とする。
- 冥加金はお布施であり、中断・辞退・3年超過・自己都合を問わず返金はない。
- 表示金額以外に後からかかる費用はない。入門前に明示。僧籍の維持に年会費はなく、報告は年1回・無料。阿闍梨向け伝授講座は別途の冥加金。
- オンラインによる追加費用なし。
関連する問い
- 費用一覧 費用一覧
- 修行に必要な道具と支度金約20万円の内訳 修行に必要な道具と支度金約20万円の内訳
- 得度にかかる費用 得度にかかる費用
- 僧侶になる費用の総額と内訳 僧侶になる費用の総額と内訳
- お申込みの流れ お申込みの流れ
- 修行を途中でやめないために ― 中断・再開・最長3年 修行を途中でやめないために ― 中断・再開・最長3年
このページの要点
- 冥加金は、仏の加護への感謝として仏と師と道場に納める御礼。授業料とは性格が異なるが、当道場は金額を入門前に明示する。
- 四度加行コース65万円(+支度金約20万円で総額約85万円)、得度のみコース10万円(可の通知後3日以内)。
- 四度加行コースは分割納付可(標準5回程度、回数は相談)。得度のみコースは一括。表示金額以外に後からかかる費用はなく、冥加金はお布施として返金はしない。
ご相談
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