得度のご案内
心照寺 春日部道場では、真言宗の得度・授戒を、在家の社会人の方にも開いています。得度とは、師僧から僧名(戒名)を授かり、十善戒を受けて仏弟子となる儀式です。当道場の「得度・授戒のみ」の課程では、正式申込みから得度式まで百日をかけ、毎朝の勤行、志望理由書、三回の事前講座、本面談を経て得度式に臨みます。得度後は6か月の見習い期間を経て度牒を交付し、僧籍に登録します。このページは、その全体を一つにまとめたご案内です。僧侶資格(阿闍梨)を目指して修行に進む方は、申込みから阿闍梨までの全体の流れもあわせてご覧ください。
※当道場では、納めていただく金銭をすべて「冥加金」と呼びます。冥加金は受講料ではなく、仏縁への感謝として納めるお布施です。
得度とは何か、まず知っておいていただきたいこと
得度は、仏門に入る最初の関門です。得度式で僧名と戒を授かることで、その人は仏弟子として認められます。ただし、得度を受けただけで葬儀・法要・祈願を自ら勤められるわけではありません。真言宗でそれらを勤めるには、四度加行を満行し、伝法灌頂を受けて阿闍梨となる必要があります。
ですから、当道場の「得度・授戒のみ」の課程は、「僧侶として人のために法要を勤める」ことを目的とした課程ではありません。戒を授かり、僧名のもとに自らの生き方を整えたい方、仏縁を正式な形にしたい方、日々の勤行を本物にしたい方のための課程です。この区別をはじめにはっきりさせておくことが、得度を受ける方にとっても、得度を授ける側にとっても、誠実な出発点だと考えています。
得度の意味そのものについては得度とは ― 意味、出家との違い、得度でできることに詳しく書いています。
当道場の二通りの得度
| 課程 | 目的 | 得度式まで | 得度後 |
|---|---|---|---|
| 得度・授戒のみ | 戒名(僧名)と十善戒を授かる | 正式申込みから百日 | 見習い期間6か月→度牒交付・僧籍登録 |
| 得度して修行に進む | 僧侶資格(真言宗教師・阿闍梨)を目指す | 面談で入門が決まればすぐ | 四度加行→伝法灌頂(通常6〜8か月) |
このページで詳しくご案内するのは、前者の「得度・授戒のみ」です。後者の全体像は申込みから阿闍梨までの全体の流れ、費用は費用一覧をご覧ください。なお、百日の途中で「やはり修行の道に進みたい」となった場合には、残りの日数を待たずに得度式を行い、四度加行に入ることができます。
百日の流れ ― 正式申込みを0日目、得度式を100日目として
得度のみの課程は、正式申込みの日を0日目、得度式を100日目として進みます。百日という日数は、毎朝の勤行を習慣として身につけ、志望理由を自分の言葉で書き、事前講座で僧侶の責務を知り、面談で互いに確認するために必要な時間として定めているものです。一つずつご説明します。
1. お問合せ(フォーム)
はじめにお問合せフォームからご連絡ください。折り返し、オンライン説明の日程をご案内します。この段階ではまだ申込みではありません。お電話(048-700-7014、受付10:00〜17:00)でのご質問も承ります。
2. オンライン説明
オンラインで、得度の意味、百日の流れ、提出していただくもの、本面談、費用、見習い期間について個別にご説明します。疑問はこの場で遠慮なくお尋ねください。説明を聞いたうえで申し込まないという判断も、もちろん自由です。
3. 正式申込み(0日目)
申込み書をご提出いただいた日が0日目です。申込みを受け付けると、志望理由書の問いと、勤行の手引きをお送りします。ここから百日が始まります。
4. 毎朝の勤行(1〜100日目)
『在家仏前勤行次第』(道場から無償でお渡しします)に沿って、毎朝十分ほどの勤行を続けていただきます。合わせて日誌をつけ、日付と一言を書き残してください。長文は不要です。「今日はこういう気持ちで座った」の一行で足ります。
百日のうちには、体調の悪い日も、出張の日も、気持ちが乗らない日もあるでしょう。それでも十分だけ仏前に座る――この積み重ねが、得度式で授かる戒を「言葉」ではなく「身についたもの」にしてくれます。毎朝の勤行は、百日の課程の中で最も大切な部分です。
5. 志望理由書(30日目まで)
30日目までに、志望理由書を手書きで作成し、郵送でお送りください。お答えいただく問いは次の四点です。
- 得度を望む理由
- 仏縁の経緯(どのようにして仏教、あるいは当道場とご縁ができたか)
- 得度後にすること
- 僧侶の名で何をしないか
四つめの問いは、意外に思われるかもしれません。しかし僧名と僧侶の肩書をどう使い、どう使わないかは、得度を受ける方の生き方に直接かかわります。ここを自分の言葉で書いていただくことが、後の行動規範への署名につながります。
6. 事前講座(オンライン・各90分・三回)
オンラインで、各90分の講座を三回受けていただきます。日程は個別に調整します。
| 回 | 主題 |
|---|---|
| 第一回 | 十善戒 |
| 第二回 | 僧侶の責務と肩書の重み |
| 第三回 | 得度式の意味と作法/見習い期間 |
十善戒については十善戒とは ― 得度で受ける十の戒め、得度式の作法については得度式の流れと当日のこと、見習い期間については得度のあと ― 見習い期間・度牒・僧籍登録でも触れていますので、講座の前後に読んでいただくと理解が深まります。
7. 日誌の中間確認(50日目前後)
50日目の前後に、日誌の写真をお送りください。勤行が続いているかを確認するためのもので、内容の良し悪しを採点するものではありません。続いていればそれで十分ですし、途切れた日があればその旨を正直にお伝えください。
8. 本面談(60〜70日目・道場にて)
60日目から70日目の間に、春日部の道場で本面談を行います。履歴書・住民票・身元保証書をご持参ください。午前・午後どちらでも承ります。面談の後、得度式をお受けできるかどうかを通知します。
面談では、志望理由書に書いていただいたことを中心に、これまでの百日の歩みと、得度後のことをお話しします。なお、半日体験のような制度はありません。面談は面談として、静かにお話しする場です。面談で何を見ているかについては面談について ― 何を話し、何を見るか、お受けできない方にまとめています。
9. 誓約と納金(可の通知後3日以内)
本面談で「可」の通知を受けた後、3日以内に、行動規範に署名し、冥加金(10万円)を納めていただきます。行動規範は、僧名と僧侶の肩書の使い方を定めたもので、得度前に署名していただくものです。冥加金10万円は分割ではなく一括で、振込により納めていただきます。領収書は発行しておりませんので、振込の控えを領収証としてお持ちください。法衣の代金も冥加金と同時にお納めいただきます。
法衣は身長を申告していただき、道場が一括して手配します。法衣の手配は入金後すぐに行います。通常は約1週間、在庫切れの場合は約1か月かかることがありますので、3日以内という期限は、得度式に法衣を間に合わせるための現実的な区切りでもあります。
10. 得度・授戒式(100日目)
100日目に、道場で得度・授戒式を行います。戒名(僧名)と十善戒を授かります。度牒の交付と僧籍登録は、この時点ではなく、見習い期間を終えた後になります。
得度式当日のこと
得度式は春日部の道場で行います。午前の場合の一例をお示しします。
| 時刻 | 内容 |
|---|---|
| 9:30〜 | 入場 |
| 9:45 | 集合 |
| 10:00 | 式の説明 |
| 11:00 | 得度式 |
| 12:00 | 終了予定 |
これはあくまで一例で、午後の開催も可能です。式の前に作法の説明を行いますので、事前に作法を完璧に覚えておく必要はありません。式の当日の流れの詳細は得度式の流れと当日のことにまとめています。
剃髪が基本ですが、仕事を続けている方が多いため、有髪のまま得度を受けることができます。男女を問わず、年齢の上限もありません。
費用
得度のみの課程で必要となる費用は次のとおりです。百日の勤行と三回の事前講座に費用はかかりません。
| 項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 冥加金 | 10万円 | 本面談で可の通知後3日以内に納入 |
| 法衣類(購入の場合) | 一式約9万円 | 白衣・帯・白足袋を含む |
| 法衣類(レンタルの場合) | 1万円 | 得度式のみ |
| 白衣・帯・白足袋 | 約1万5千円 | レンタルの場合は別途購入 |
冥加金は一括で納めていただきます(分割はありません)。度牒の交付、僧籍登録、見習い期間中の月次報告、登録後の年に一度の報告に費用はかからず、僧籍の維持費や年会費のようなものも一切ありません。また、冥加金は受講料ではなく、仏縁への感謝として納めるお布施ですので、納入後に辞退された場合もご返金はいたしません。
購入かレンタルかは、得度後に法衣を着る機会があるかどうかでお考えください。得度のみの課程では、見習い期間中に僧侶として法要を勤めることはありませんので、レンタルを選ばれる方も多いと考えられます。 法衣の詳細は法衣について ― 購入・レンタル・揃えるもの、費用全体は得度にかかる費用をご覧ください。
必要書類
百日の間に提出していただく書類は次のとおりです。
| 書類 | 提出時期 | 方法 |
|---|---|---|
| 申込み書 | 正式申込み(0日目) | |
| 志望理由書(手書き・四点) | 30日目まで | 郵送 |
| 日誌の写真 | 50日目前後 | 送付 |
| 履歴書・住民票・身元保証書 | 本面談(60〜70日目) | 持参 |
| 行動規範(署名) | 可の通知後3日以内 |
身元保証書の様式や保証人の条件については得度に必要な書類 ― 住民票・履歴書・身元保証書・志望理由書にまとめています。
見習い期間(6か月)
得度式の後、6か月の見習い期間があります。この間は、月に一度、勤行の継続と近況をご報告ください。見習い期間中の名乗りは「心照寺得度者」までで、「僧侶」の肩書は使えません。
見習い期間を終えると、度牒を交付し、僧籍に登録します。僧籍登録後は「僧侶」と名乗れます。登録後も年に一度のご報告をお願いしています。報告のみで、参拝の義務はありません。連絡が途絶えた場合は僧籍が失効します。僧籍は道場で管理し、外部からの照会に応じます。
得度のあとの歩みについては得度のあと ― 見習い期間・度牒・僧籍登録に詳しくまとめています。
お受けできない場合
次に該当する方は、得度をお受けすることができません。
- 僧名や僧侶の肩書を営業・勧誘に使う目的の方
- 提出物に虚偽がある方
- 行動規範に同意いただけない方
- 暴力団その他の反社会的勢力に属する方、およびその関係者
これらは、得度を受ける方と、得度を授ける側と、そして僧名を見て信頼を寄せる世の中の人々、その三者を守るための線引きです。僧名は、授かった本人のものであると同時に、仏教全体への信頼を預かるものでもあります。
百日の途中で修行の道に進みたくなったら
百日の間に、「得度だけでなく修行に進みたい」と思われることがあります。その場合は、残りの期間を待たずに得度式を行い、四度加行に入ることができます。お申し出いただければ、面談で改めてご相談します。修行の全体像は申込みから阿闍梨までの全体の流れ、費用は費用一覧をご覧ください。
よくあるご質問
Q. 仏教の知識がまったくありませんが、得度を受けられますか。
A. 受けられます。三回の事前講座と毎朝の勤行で、必要なことは百日のうちに身につきます。当道場の修行者は、いずれも寺との縁のない在家の社会人です。
Q. 仕事を続けながらでも大丈夫ですか。
A. 大丈夫です。毎朝の勤行は十分ほど、講座はオンライン、道場に来ていただくのは本面談と得度式です。大半の方が仕事を続けながら進んでいます。
Q. 髪を剃らなければなりませんか。
A. 剃髪が基本ですが、有髪のまま得度を受けることができます。
Q. 女性でも受けられますか。年齢の上限はありますか。
A. 男女を問わず、年齢の上限もありません。30代から70代まで幅広い方が歩んでいます。
Q. 遠方に住んでいますが、可能ですか。
A. 可能です。道場に来ていただくのは本面談と得度式の二回です。遠方の場合は前泊が必要になることがあります。詳しくは遠方から春日部道場で修行する方法をご覧ください。
Q. 得度を受けたら、葬儀や法要を勤められますか。
A. 得度のみでは勤められません。葬儀・法要・祈願を自ら勤めるには、四度加行の満行と伝法灌頂が必要です。
Q. 他宗派で得度していますが、受けられますか。
A. 可能です。面談の上で判断し、得度は免除となる可能性があります(修行に進む場合、四度加行の免除はありません)。詳しくは面談でお話しします。他宗派で得度した方へもご覧ください。
Q. 家族に知られずに得度を受けることはできますか。
A. 課程の大半は自宅での勤行とオンライン講座ですので、ご自身の判断で進められます。ただし、本面談には住民票と身元保証書が必要です。ご家族の理解があるほうが続けやすいのは確かです。
Q. 百日の途中でやめることはできますか。
A. できます。冥加金を納めていただくのは本面談で可の通知を受けた後ですので、それ以前に辞退された場合に費用はかかりません。納金後に辞退された場合、冥加金は受講料ではなく、仏縁への感謝として納めるお布施ですので、ご返金はいたしません。
Q. 得度のみを受けて、後から修行に進むことはできますか。
A. できます。見習い期間中でも僧籍登録後でも、口頭でお申し出いただければ足ります。得度・授戒式の冥加金10万円は既に納めたものとみなし、二重にはかかりません。必要になるのは四度加行45万円、その他の行法10万円、そして支度金の差額(法衣を購入済みであれば教本・次第書類の約5万円のみ。レンタルであった場合は法衣類の約15万円も加わります)です。
当道場の場合 ― 百日という時間について
当道場が得度のみの課程に百日をかけているのは、得度式を「一日の行事」にしたくないからです。毎朝の十分、手書きの志望理由書、三回の講座、面談――その一つひとつを通して、得度式の日には、授かる僧名と戒が自分のものとして受け取れるようになっていることを願っています。
人は、自分がどう生きたいかを言葉にする機会を、意外なほど持たないまま日々を過ごします。志望理由書の四つの問いに向き合う三十日は、そのための時間でもあります。後悔のない生き方とは、何か特別なことをすることではなく、自分で選んだ道を自分の言葉で引き受けることから始まるのだと、私たちは考えています。
関連する問い
- 得度とは ― 意味、出家との違い、得度でできること 得度とは / 得度にかかる費用 得度にかかる費用 / 得度式の流れと当日のこと 得度式の流れと当日のこと / 得度に必要な書類 ― 住民票・履歴書・身元保証書・志望理由書 得度に必要な書類 / 得度のあと ― 見習い期間・度牒・僧籍登録 得度のあと / 得度だけを受けたい方へ 得度だけを受けたい方へ
このページの要点
- 得度のみの課程は、正式申込み(0日目)から得度式(100日目)まで、毎朝の勤行・志望理由書・三回の講座・本面談を経て進む。
- 費用は冥加金10万円(本面談で可の通知後3日以内に納入)と法衣類。勤行と講座に費用はかからない。
- 得度後は6か月の見習い期間を経て度牒交付・僧籍登録。得度のみでは葬儀・法要は勤められない。
ご相談
電話 048-700-7014(受付10:00〜17:00)またはお問合せフォームからどうぞ。