お坊さんになるには(はじめての方向け)
お坊さんになるには、師匠となる僧侶(師僧)のもとで「得度(とくど)」という儀式を受け、そのあと宗派の定める修行を終えて、僧侶として登録(僧籍)されることが必要です。お寺の家に生まれていなくても、仏教の勉強をしたことがなくても、何歳からでも始められます。このページは、「お坊さんになりたい」と思い始めたばかりの方に向けて、専門用語をできるだけかみくだいて、全体の見取り図をお伝えするものです。
お坊さんになるには、まず何から始めればいいですか
多くの方が最初に迷うのは、「どこに行けば、誰に聞けばいいのか」です。お坊さんになる手続きは、役所や学校のように窓口が決まっているわけではありません。
一般に、僧侶になる入口は三つあります。仏教系の大学や専修学院に入学する道、縁のあるお寺の住職に弟子入りする道、そして社会人を受け入れている在家向けの修行道場に入る道です。どの道も、最終的には「師僧から得度を受け、修行を満行する」という同じ地点に向かいます。
最初にすることは、この三つのうち、自分の年齢・仕事・生活に合う道はどれかを考えることです。学生のように何年も通学できるのか、お寺に住み込めるのか、それとも仕事を続けながら進みたいのか。この問いへの答えで、入口はおのずと絞られます。
「得度」とは何ですか ― お坊さんになる最初の儀式
得度は、師僧から僧名(そうみょう。戒名ともいいます)を授かり、戒(かい)を受けて、在家の人から僧の側へ立場を移す儀式です。真言宗では、得度のときに「十善戒(じゅうぜんかい)」という十の戒めを受けます。生き物を殺さない、盗まない、よこしまな交わりをしない、嘘をつかない、飾った言葉を使わない、悪口を言わない、二枚舌を使わない、むさぼらない、怒りに身をまかせない、誤った見方をしない、という十の指針です。
得度は出発点であって、ゴールではありません。得度式を終えたその日から葬儀や法要を勤められるわけではなく、そこから修行が始まります。
「修行」では何をするのですか
宗派によって修行の内容は異なります。真言宗では「四度加行(しどけぎょう)」という修行を行います。十八道・金剛界・胎蔵界・護摩という四つの行法を順番に修めるもので、一般に、定められた手順書(次第)に沿って、仏具を整え、印を結び、真言を唱え、心に仏の姿を観ずる、という一座の行を毎日繰り返します。
修行は「作法を身体で覚えること(事相)」と「教えを頭で学ぶこと(教相)」の両輪です。お経の読み方や声明(しょうみょう)といった実技と、仏教の歴史や経典といった学びの両方を進めます。
修行を終える(満行する)と、「伝法灌頂(でんぼうかんじょう)」という儀式を受け、「阿闍梨(あじゃり)」という位に就きます。真言宗では、この阿闍梨になって初めて、人のために葬儀・法要・祈願を勤める僧侶として認められます。
「僧籍」とは何ですか ― お坊さんとして登録されるということ
僧籍は、宗派や寺院に「この人は僧侶である」と登録されることです。運転免許のような国の資格ではなく、宗教法人の内部の制度です。ですから、どの師僧から法を受け、どこに僧籍が置かれているかが、お坊さんとしての身分を支えます。
得度・修行・僧籍の三つがそろって、はじめて「お坊さんになった」と言えます。この三つを最初から一続きに見ておくと、途中で道に迷いにくくなります。
お坊さんになるのに条件はありますか
一般に、次の点は必須ではありません。
- お寺の家に生まれていること
- 仏教系大学を卒業していること
- 若いこと、独身であること、男性であること
- 仏教の知識があること
一方で、一般にどの道でも求められるのは、師僧との信頼関係と、修行を最後まで続ける意思です。人物を見るための面談があり、住民票や履歴書などの書類が求められることが多くあります。
お坊さんになるには何年かかりますか、いくらかかりますか
道によって大きく異なります。大学・専修学院は年単位の在学が前提で、弟子入りはお寺と本山の方針によります。費用も宗派・本山・学校により異なりますので、ここでは他の道の数字は示しません。
当道場の場合、得度から阿闍梨まで、仕事を続けながら通常6〜8か月、費用は総額約85万円です。内訳は次の「当道場の場合」でお伝えします。
当道場の場合
心照寺 春日部道場は、埼玉県春日部市にある真言宗の僧侶養成機関です。宗教法人 姫路成田山 明勝寺の春日部教会として、平成25年に主管 康照が開設しました。修行者は全員が寺と縁のない在家の社会人で、30代から70代まで、最も多いのは50代です。大半の方が仕事を続けながら修行しています。
二つの課程
- 得度・授戒のみ:戒名(僧名)と十善戒を授かる課程です。正式申込みから得度式まで百日をかけ、毎朝の勤行、志望理由書、三回の事前講座、本面談を経て得度式に臨みます。得度後6か月の見習い期間を経て、度牒交付・僧籍登録となります。
- 得度して修行に進む(四度加行コース):阿闍梨を目指す課程です。面談で入門が決まればすぐに得度式を行い、四度加行に入ります。
進め方
完全個別指導です。道場で伝授と確認を受け、自宅で実践し、次の段階へ進む、という繰り返しです。講義・確認の多くはオンラインで行え、道場に来るのは伝授と最終確認、得度式、伝法灌頂のときです。泊まりがけの修行は不要です。質問は個別指導の時間のほか、LINEで常時受け付けています。剃髪が基本ですが、仕事を続ける方は有髪のまま修行できます。
費用(四度加行コース)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 得度・授戒式 冥加金 | 10万円 |
| 四度加行(伝法灌頂まで) | 45万円 |
| その他の行法 | 10万円 |
| 支度金(教本・経本・次第書・念珠・法衣類など) | 約20万円 |
| 総額 | 約85万円 |
分割納付はご相談いただけます。表示金額以外に後からかかる費用はありません。
申込みの流れ
お問合せフォームからのお申込み、オンラインでの詳細説明、面談(住民票・履歴書・身元保証書を持参。オンライン面談も可)、入門許可、得度式、四度加行、という順に進みます。
はじめての方へ、ひとこと
「お坊さんになりたい」という思いは、多くの場合、大切な人を見送ったあとや、人生の折り返しを過ぎたときに芽生えます。それは、残りの時間をどう使うかという問いと同じものです。後悔のない生き方を考えたとき、祈りの作法を自分の手に持っておきたい、という願いは、決して特別なものではありません。
わからないことだらけで当然です。まずは全体の見取り図を知り、ご自身に合う道を見つけてください。
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このページの要点
- お坊さんになるには、師僧のもとで得度を受け、宗派の修行を満行し、僧籍に登録される、という三段階を踏む。
- お寺の生まれ、仏教系大学、年齢、性別、仏教の知識は必須条件ではない。
- 当道場では、仕事を続けながら通常6〜8か月、総額約85万円で、得度から阿闍梨まで進める。
ご相談
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