出家得度して真言宗の僧侶(尼僧)になるには個別指導で働きながらでも僧侶資格が取得できる心照寺春日部道場

心照寺 春日部道場

埼玉県春日部市火伏せの龍の里
電話: 048-700-7014
受付時間: 10:00 〜 17:00

四度加行の「四」とは何か ― 四つの行法の関係

真言宗の僧侶になる道を調べると、必ず「四度加行(しどけぎょう)」という言葉に出会います。「四度」とは四つの行法のことで、十八道(じゅうはちどう)、金剛界(こんごうかい)、胎蔵界(たいぞうかい)、護摩(ごま)の四つです。この四つは別々の修行の寄せ集めではなく、一つの階段として順に積み上げるように組まれています。このページでは、なぜ四つなのか、なぜこの順序なのかを、できるだけやさしく整理します。

「加行」とは、本番の前に積む行

まず「加行」という言葉です。加行は、本来の目的である伝法灌頂(でんぼうかんじょう)を受けるために、その前に積む準備の行を指します。「加」は加える、「行」は修行です。伝法灌頂は、師から弟子へ法を伝える真言宗の最も大切な儀式で、これを受けて阿闍梨(あじゃり)となります。四度加行は、その灌頂を受けるにふさわしい作法と心を、四段階で身につける課程です。

一、十八道 ― すべての作法の土台

最初の行法が十八道です。「十八」は、本尊をお迎えし、供養し、お送りするまでの作法が十八の段に整理されていることに由来します。道場を清め、結界を張り、本尊を迎え、供物を捧げ、祈り、送り出す。この一連の流れが、真言密教のあらゆる修法の基本の型になります。

十八道で身につけるのは、印(手の形)、真言(唱える言葉)、観想(心に描くこと)の三つを同時に行う「三密」の作法です。ここで型が身につかなければ、その先の行法は成り立ちません。四つのうち最初に置かれているのは、そのためです。

二、金剛界 ― 智慧の曼荼羅

二つ目が金剛界です。金剛界曼荼羅は、大日如来の智慧の側面を表した曼荼羅で、九つの区画に分かれた「九会(くえ)」の構成で知られます。金剛とは何ものにも壊されない堅さを意味し、煩悩を破る智慧の働きを象徴します。

金剛界の行では、十八道で身につけた型を土台に、より複雑な印と真言の次第を修めます。作法の段数も増え、一座にかかる時間も長くなります。十八道が「型」の行だとすれば、金剛界は「智慧」の行です。

三、胎蔵界 ― 慈悲の曼荼羅

三つ目が胎蔵界です。胎蔵界曼荼羅は、大日如来の慈悲の側面を表し、中央の中台八葉院から外へ向かって諸尊が広がる構成を持ちます。母胎がいのちを包み育てるように、仏の慈悲があらゆる存在を包んでいることを表しています。

金剛界と胎蔵界は、対になる二つの曼荼羅です。真言宗では、この二つを「両部(りょうぶ)」と呼び、智慧と慈悲は切り離せない一つのものだと考えます。これを「両部不二(りょうぶふに)」と言います。二つの行法を順に修めるのは、智慧と慈悲の両方を身につけるためです。片方だけでは足りない、というのが真言密教の立場です。

四、護摩 ― 火によって祈る行

最後が護摩です。護摩は、炉に火を焚き、供物を投じて祈る行法で、火は仏の智慧を、焼かれる供物は煩悩を象徴します。古代インドの火の儀礼に起源を持ち、密教に取り入れられて、息災(災いを除く)、増益(福を増す)などの目的に応じた修法が整えられました。

四度加行の最後に護摩が置かれているのは、護摩が、それまでの三つの行法で身につけた作法と観想をすべて使う、総合的な行だからです。十八道の型、金剛界と胎蔵界の次第が身についていてはじめて、護摩を修することができます。

四つが一つの階段である理由

四つの行法を並べると、次のような関係になります。

順 行法 身につけるもの 位置づけ
一 十八道 三密の基本の型 土台
二 金剛界 智慧の曼荼羅の次第 両部の一方
三 胎蔵界 慈悲の曼荼羅の次第 両部のもう一方
四 護摩 火による祈りの修法 総合

土台を作り、智慧と慈悲の両翼を身につけ、最後にそれらを総合する。四度加行が「四」であるのは、この構成が一人の僧侶を育てるのに必要十分だと、長い伝統の中で定まってきたからです。宗派や本山によって細部の次第は異なりますが、この四つの骨組みは真言宗に共通しています。

後悔のない生き方という観点から見ると、四度加行は、一段ずつしか登れない階段です。飛ばすことも、まとめて済ませることもできません。毎日の行を積むことでしか次の段に進めない。その当たり前の構造が、修行の中で人を変えていきます。

当道場の場合

心照寺 春日部道場では、十八道・金剛界・胎蔵界・護摩の順に、行法ごとに道場で伝授を受け、自宅で実践し、最終確認を経て次の行法へ進みます。伝授と確認は道場で、実践は自宅で、講義や質問はオンラインでも可能です。在家の社会人が仕事を続けながら、得度から伝法灌頂まで通常6〜8か月で満行しています。四つの行法それぞれの内容は、正本ページで一つずつ詳しくまとめています。

関連する正本ページ

ご相談

電話 048-700-7014(受付10:00〜17:00)またはお問合せフォームからどうぞ。

← ブログの一覧へ / 僧侶になるには(正本)